先日お伝えした期待しすぎてはいけないという話ですが、現物を確認すると現状は「期待しすぎてはいけない」という期待通りの製品でした。
先日お伝えした通りアップデートが来るまでは実質iPhoneとNintendo SwitchまたはHDMI出力のあるPCに対応という形になりそうです。これまた先日お伝えしたWACOM Link Plusと同じということですね。
なぜNreal Airのみ対応なのか
メーカーが公表している対応ディスプレイがNreal Airのみで上位機種Nreal Lightには対応していないという件は一般的にHDMI出力機器側で音量調節が出来なくてHDMI入力機器であるディスプレイ側で音量調節をしないといけないところ、Nreal Lightにはその機能がないので常にフルボリュームになってしまうということに起因すると思われます。
現物でEDIDを確認したところ、Nreal Airの場合だけオーディオが有効になるようになっていました。おそらくUSBのIDを認識してオーディオを有効にするかどうかを場合分けしているようです。
そのほか解像度の仕様なども手が入っているようです。今後のアップデートでここら辺も変わるのかな?もしかしたらNreal Adapterに接続したときだけ対応解像度が変更されるという囲い込みをしてくる可能性もありますね。
Lenovo L32p-30に接続した場合にもEDIDが変更されてしまいます。オーディオが無効になっているのでディスプレイから音は出ません。ディスプレイ側がオーディオ対応している場合も強制的に無効にしていくスタイルです。Nreal Airのみ対応だぞという強い意志を感じます。
ちなみに4K液晶ディスプレイなんですがフルHDまでしか表示されませんでした。
ということで、Nreal Adapter側でNreal Airの場合にのみオーディオを有効、それ以外は無効にしていました。HDMI音声対応のディスプレイで音は出ないです。
また、Nreal AirがフルHDディスプレイなのでNreal AdapterもフルHD以上には対応しないようになっていました。コストダウンで2レーンしか繋いでないのかチップ自体が違うのかまではよく分かりません。
Nreal Air繋げても音が聞こえないんだが?
音量が最小になってる可能性があります。うちでは当初Nreal Adapter側の音量が最小になっていたのでPC側で最大になっていてもうんともすんとも言わなくて、これは不良品引いたか??って色めきだったんですが、単純に音量が最小になっていただけでした。
以下の通り音量調節すればちゃんと鳴りました。
音量調節の方法
マニュアルにもありますが、音量調整は右側のツルにある小さい方のボタン長押しでモード切替をしてから明るさ調整ボタンで調節します。再度小さい方のボタンを長押しする事で明るさ調整モードにすることが出来ます。
バッテリー搭載はどうなの
別途電源が必要なく、HDMIとNreal Airを繋げば使用できるのは簡単です。バッテリーが適切に充電されていれば…
公称3時間使用できることになっていて、30分で40%充電が可能とのことなので、3時間使用後は1時間半ぐらい休憩ができると前向きにとらえることも出来ます。
幸い稼働時間より充電時間の方が短いので2個買ってローテーションすればいいんじゃない?ってことですかね?
実際問題として、使用頻度が低い場合は使おうと思ったときに充電が切れてる可能性が高いので使おうと思うたびに充電から始めないといけない覚悟が必要です。
また、バッテリーが故障、もしくは寿命が来てしまったときに丸ごとゴミになってしまうというのはSDGsの観点から言えばあまり良くないですね。
2022/10/03追記:電池空っぽにしてから再充電してみました
どうにかしてバッテリー充電しながら使えない?
GOOVIS HC2.0でも使えたRedMagic Gaming Dockですが、Nreal Adapterでは残念ながら現状使用できていません。実は色々接続を変えてるときにごくまれにNreal Adapterを充電しながらNreal Airで表示できた事があったんですが、音声出力がされなくて惜しい!って刺し直したら表示もされなくなったりなんだかよく分かりません!
Lenovo L32p-30のようなディスプレイ側がUSB PD出力がある場合は充電しながら使えているのでなんか手段があると良いんですが、前述の通りNreal AirのデバイスIDでのみ音声出力するようになっているので途中に機器が挟まった場合は音声出力はできないと思われます。うーん。
2022/10/07追記:RedMagic Gaming Dockをうまいこと接続することでNreal Adapterを充電しながらNreal Airを使用することができることが判明しました。ただしNreal Airのスピーカーから音が出ないのでそれならGOOVIS HC2.0とか使った方がいいんじゃね?って気はします。
成功率の高かった手順は事前にRedMagic Gaming DockにNreal Adapterで実績のある充電器を接続しておいて…
- HDMIを接続してNreal Adapterを起動させる
- HDMIを抜いてRedMagic Gaming Dockを同時に刺す
- ↑でうまくいかなかったら両方抜いてもう一度同時に刺す
普通にRedMagic Gaming Dockを接続しても無反応なんですが、HDMIと同時に繋ぐとなんか使えることがあるバグ技みたいな感じ。テスターを間に挟んでおけば成功時に電流がNreal Adapter側に流れるようになるので分かりやすいです。
ただ、Nreal Adapter唯一の利点である「HDMI音声をUSBオーディオに変換することでNreal Airのスピーカーで音が鳴る」という機能が働かないのでNreal Adapterを使う意味がなくなっちゃう…
これだと普通にWACOM Link Plus使った方がいいんじゃね????
Nreal Adapter自体もNreal Air同様Web HIDでファームウェアのアップデートができるはずなので、そのうちRedMagic Gaming Dock経由してもNreal Airで音が鳴るようになればいいなあ。
バッテリー長持ちさせる方法はない?
以前お知らせしたGOOVISの給電ケーブルなどを使用するとNreal Airを動かす電力を外部のモバイルバッテリーなどから取得することが出来るようになり、Nreal Adapter側のバッテリー消費を抑えることが出来るので長持ちします。
Nreal Adapterに搭載されているバッテリーがおよそ10Whで公称連続使用3時間なので、単純計算して想定3.3Wh。Nreal Airは実測値で最大2.3Wh程度消費するのでNreal Adapter自体の消費電力はおよそ1Whぐらい?ということで、10時間ぐらい連続使用できるかも?時間があるときに追試してみたいですね。
8,980円の価値があるのか
費用対効果は主観になりますが、Nreal Airのアップデートで一般的なHDMI機器が問題なく表示されるようになったとすれば、HDMI音声をUSBオーディオに変換できる唯一無二の変換器として価値があると思います。
もしNreal Airが一般的なEDIDになった場合にはGOOVIS HC2.0やWACOM Link Plusでもそのまま使えるようになると思われるので、Nreal Air本体のスピーカーを使用することに意義を見いだせない場合にはそこまでの価値はないかな…
バッテリー無しで5,980円とか、8,980円でも使用中に充電が出来ればもっとよかったなあと思います。
おしまいに
公式で変換アダプターを発売してくれたというのは大変喜ばしいです。「MRグラスだからNebula対応スマホで映れば問題ない!」って突っぱねる事もできたと思うんですが、ディスプレイとして普及させて次のステップへの地ならしするという方向になってくれたのは個人的には大変良いと思います。
Nreal Lightで音が出ない問題はアダプター側にボリュームボタンをつけるとかで対応できたんじゃないかと思いますが、まあ色々思うところがあったんでしょう。
現状Nreal LightはGOOVIS HC2.0との組み合わせることでNintendo SwitchやPS4で使えてるのでNreal Adapter必要ないという話もあります。
さて、とりあえず届いたファーストインプレッションは発売前の「期待しすぎてはいけない」通りでした。今後のアップデートが楽しみですね!
とりあえず今回はここまで。
現場からは以上です。