
電気メガネツール第5弾!目のテストツールを作成しましたよ。
はじめに
電気メガネ(XREAL Oneなどのサングラス型ディスプレイ)の普及に伴い、日常的に目の状態を確認したいというニーズが増えています。特にFull SBS(Side-by-Side)モードを搭載した電気メガネでは、左右の目に別々の映像を表示できるため、眼科で行われる検査に近いテストをセルフで実施できる可能性があります。
「目のテストツール」は、そうした可能性を探るために開発した目の簡易セルフチェックツールです。
⚠️ 重要な注意事項
このツールは医療機器ではありません。結果は参考値であり、正確な診断には眼科を受診してください。
ツールのURLは一番最後に記載しています。テスト内容を理解してご利用ください。
開発意図
なぜこのツールを作ったのか
- 電気メガネのFull SBSモードの活用
XREALなどの電気メガネはFull SBSモードで左右の目に独立した映像を表示できます。これは眼科で使われる「偏光フィルター」や「赤緑フィルター」と同様の原理で、片目ずつのテストを可能にします。 - 定期的なセルフモニタリング
視力や目の状態は日々変化します。眼科に行くほどではないが「最近見えにくい気がする」といった微妙な変化を追跡できるツールがあれば便利だと考えました。 - 電気メガネ固有の問題の切り分け
「見えにくさ」が電気メガネの光学系によるものか、自分の目の問題かを切り分けるための参考情報を得られます。
設計思想
- ブラウザで完結: インストール不要、静的HTMLのみで動作
- プライバシー重視: データはすべてローカル(localStorage/IndexedDB)に保存
- オフライン対応: 一度読み込めばネット接続不要
- 日本語UI: 主要テキストは日本語で統一
動作環境
推奨環境
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| 電気メガネ | XREAL Air / Air 2 / Air 2 Pro / Air 2 Ultra、その他Full SBS対応グラス |
| 接続デバイス | Full SBSモード(3840×1080)に対応したPC など |
| ブラウザ | Chrome / Safari / Edge(最新版) |
| 表示モード | Full SBS(3840×1080または同等) |
Full SBSモードについて
Full SBSモードは、画面を左右に分割して左目用・右目用の映像を同時に表示するモードです。このモードにより:
- 左目だけ、右目だけにテスト画像を表示可能
- 両眼視差を利用した立体視テストが可能
- 斜位テストなど、左右別々の図形を使うテストが可能
Full SBSモードをオフにした状態でも一部のテスト(両眼視力テスト、赤緑テストなど)は実施できます。
必ず3840×1080を全画面表示できる環境で実行してください。
テーマ設定
- 黒背景(デフォルト): 光学シースルーな電気メガネでの視認性が高い
- 白背景: 好みに応じて切替可能。ただし一部テスト(コントラストテスト、グレアテスト)は黒背景固定
テスト一覧と説明
1. 視力テスト(3種類)
概要
ランドルト環(Cの形の環)を使った視力チェックです。眼科で行われる視力検査と同じ原理を使用しています。
テスト方法
- 画面中央にランドルト環が表示されます
- 切れ目の方向(8方向)を画面下のボタンで回答
- 正解するとレベルアップ(環が小さくなる)
- 不正解するとレベルダウン(環が大きくなる)
- 同じレベルで3回不正解すると終了
提供テスト
| テスト名 | SBS必須 | 説明 |
|---|---|---|
| 左目 | ✅ | 左目のみで視力をチェック |
| 右目 | ✅ | 右目のみで視力をチェック |
| 両眼 | ❌ | 両目を使って視力をチェック |
想定効果
- 左右の視力差を把握できる
- 定期的に測定することで視力の変化を追跡
- インサートレンズ装着時と裸眼時の差を比較
2. コントラストテスト(3種類)
概要
通常の視力検査(高コントラスト)では見落とされる視機能低下を検出するためのテストです。白内障や緑内障の初期症状、視神経の問題などで低下することがあります。
テスト方法
- 薄いグレーのランドルト環が表示されます
- 切れ目の方向を8方向ボタンで回答
- 正解するとコントラストが下がる(より見えにくくなる)
- 不正解するとコントラストが上がる(より見えやすくなる)
- 同じレベルで3回不正解すると終了
※ このテストは背景設定に関わらず常に黒背景で実施されます(臨床的に標準的な環境)
提供テスト
| テスト名 | SBS必須 | 説明 |
|---|---|---|
| 左目 | ✅ | 左目のコントラスト感度をチェック |
| 右目 | ✅ | 右目のコントラスト感度をチェック |
| 両眼 | ❌ | 両目でコントラスト感度をチェック |
想定効果
- 左右のコントラスト感度差を検出
- 通常視力検査では見つからない問題を早期発見
- 夜間や薄暗い環境での見えやすさの指標
3. 乱視テスト(2種類)
概要
放射状の線(ファンダイアル)を使って乱視の有無を簡易チェックします。
テスト方法
- 放射状に伸びる12本の線が表示されます
- リラックスして全体を見渡します
- 特定の方向の線だけ太く・濃く見えるか確認
提供テスト
| テスト名 | SBS必須 | 説明 |
|---|---|---|
| 左目 | ✅ | 左目の乱視傾向をチェック |
| 右目 | ✅ | 右目の乱視傾向をチェック |
結果の見方
- すべて同じ太さに見える: 乱視の傾向なし
- 特定の角度だけ濃く見える: その方向に乱視の可能性
※ 電気メガネの光学系の影響で歪んで見える可能性があるため、複数回テストして一貫性を確認してください。
想定効果
- 乱視の有無の簡易判定
- 電気メガネの光学系の影響との切り分け
4. 斜位テスト(4種類)
概要
斜位(目の向きのズレ)を確認するためのテストです。眼科で行われるポラテスト法やショーバーテストを再現しています。
テスト方法
- 左右の目に別々の図形が表示されます
- 十字キーで図形を動かし、正しく揃うよう調整
- 調整量(ピクセル単位)がズレとして記録されます
提供テスト
| テスト名 | 説明 |
|---|---|
| 十字 | 左目に横棒、右目に縦棒。十字に見えるよう調整 |
| 十字(融像ロック) | 白枠を追加し融像を促進した状態でテスト |
| ショーバー | 左目に緑の同心円、右目に赤のクロス。円の中心にクロスが来るよう調整 |
| ショーバー(融像ロック) | 白枠を追加し融像を促進した状態でテスト |
融像ロック版について
画面外周に白枠が表示されます。この枠が両眼共通の視覚的手がかりとなり、目の補正機能(融像)が働きやすくなります。
- 枠なし版とのズレの差: 融像による補正量を示唆
- 差が大きい場合: 普段は目が補正しているが、疲労時に症状が出やすい可能性
結果の見方
- 調整なしで揃う: 斜位の傾向なし
- 横方向のズレ: 外斜位または内斜位の傾向
- 縦方向のズレ: 上下斜位の傾向
想定効果
- 斜位の傾向を把握
- 疲れ目や頭痛の原因の手がかり
- 眼科受診前の参考情報
5. 屈折テスト(2種類)
赤緑テスト
概要
赤と緑の背景でランドルト環を比較し、眼鏡やコンタクトレンズの度数が適切かを簡易チェックします。
テスト方法
- 画面上半分が赤、下半分が緑の背景
- 中央にランドルト環が表示
- 赤と緑、どちらの背景の環がはっきり見えるか比較
結果の見方
| 見え方 | 意味 |
|---|---|
| 同じに見える | 理想的な矯正状態 |
| 緑がはっきり | 近視過矯正の可能性 |
| 赤がはっきり | 遠視または近視低矯正の可能性 |
※ 暗い場所で行うと差異が出やすくなります
グレアテスト
概要
光のまぶしさや光輪(ハロー)の見え方をチェックします。
テスト方法
- 暗い背景に明るい光点が表示されます
- 光の周りにハロー(光輪)やスターバースト(放射状の光)が見えるか確認
結果の見方
- 光点のみに見える: 正常
- 光輪が見える: 軽度のハロー(正常範囲内の場合もあり)
- 強い光輪や放射状の光: 白内障、角膜異常、夜間視力の問題の可能性
想定効果
- 矯正度数の適切さの確認
- 白内障初期症状の気づき
- 夜間運転時の見え方の参考
6. 両眼視テスト(2種類)
立体視テスト
概要
ランダムドットステレオグラムを使った立体視能力のチェックです。
テスト方法
- 左右に微妙にずれたドットパターンが表示されます
- 正常な立体視があれば、中央に図形が浮き上がって見えます
特徴
- 片目では絶対に見えないため、真の両眼視を検出
- 弱視や斜視による両眼視機能低下の発見に有効
ワース4灯テスト
概要
両眼の融像(左右の目で見た映像を脳で一つにまとめる機能)をチェックする古典的なテストです。
表示内容
Full SBSモードで左右の目に異なる映像を表示します:
- 左目に見える映像: 赤い光(上)と薄赤の光(下)の2つ
- 右目に見える映像: 緑の光2つ(左右)と薄緑の光(下)の3つ
正常な融像ができていれば、脳が左右の映像を合成し、4つの光(赤1つ、緑2つ、下に赤または緑1つ)が見えます。
テスト方法
- リラックスして画面を見る
- 見える光の数と色を確認する
- 画面をタップして左右入替 → 下の光の色が変わるか確認
左右入替の意味
タップすると左目用・右目用の映像が入れ替わります。
- 下の光の色が変わる: 両眼で見ている(正常な融像)
- 下の光の色が変わらない: 片目しか使っていない(片目抑制の可能性)
結果の見方
| 見え方 | 意味 |
|---|---|
| 4つ見える(赤1+緑2+下1) | 正常な融像ができている |
| 2つ見える(赤系のみ) | 右目が抑制されている(左目優位) |
| 3つ見える(緑系のみ) | 左目が抑制されている(右目優位) |
| 5つ以上見える | 複視(左右の映像が融像されていない) |
※ 下の光が赤に見えるか緑に見えるかは、どちらの目が優位かを示しています
想定効果
- 両眼視機能の確認
- 片目抑制の発見
- 複視の有無の確認
使い方のコツ
正確な結果を得るために
- 環境を整える
- 暗い部屋、または電気メガネのシェードを装着
- 外光の影響を減らす
- リラックスする
- 力を入れず、自然体で
- 斜位テストは特にリラックスが重要
- 複数回テストする
- 1回の結果で判断せず、数回試す
- 日をおいて再テストすると信頼性が上がる
- 結果を記録する
- 斜位テストの結果はURLで共有可能
- 定期的に測定して変化を追跡
気になる結果が出たら
このツールはあくまで簡易チェックです。以下の場合は眼科の受診を検討してください:
- 左右の視力差が大きい
- コントラスト感度に左右差がある
- 斜位テストで大きなズレがある
- ハローが強く見える
- 立体視ができない
- ワース4灯で5つ以上見える
技術仕様
- フレームワーク: バニラJavaScript(依存ライブラリなし)
- 描画: HTML5 Canvas
- データ保存: localStorage / IndexedDB
- ホスティング: 静的ファイルのみ
まとめ
「目のテストツールを」は、電気メガネのFull SBSモードを活用した目の簡易セルフチェックツールです。医療機器ではありませんが、以下の用途で活用できます:
- 👁️ 日常的な視力変化のモニタリング
- 🔍 電気メガネ光学系と目の問題の切り分け
- 📊 眼科受診前の参考情報収集
- 🧪 両眼視機能の簡易確認
気になる結果が出た場合は、眼科の受診を検討してください。
おしまいに
というのをだいたいGitHub CopilotのClaude Opus 4.5先生に書いてもらいました。
先日XREAL One Pro用のインサートレンズを銀座まで作りに行ったときにどうにも左右の塩梅が安定しなくておかしいなあと思ってたんですが、どうやら「斜位」という状態なのではないかと思い、テストツールを作って確認してみようというのが本当の理由です。テスト1個じゃさみしいので面白そうなテストが無いか調べたり調べてもらったりしてたら左右それぞれ別の表示ができるという電気メガネの特徴を活かしたテストをメインに思ったよりいろいろできました。
液晶ディスプレイではよく分かるコントラストテストがXREAL Oneだと途中でなんにも見えなくなる問題とか解決できてない問題もありますが、まあ簡易チェックなのでこんなとこでええかって軽い気持ちで公開してます。
ツイート機能の用語統一ができてないとかは時間のあるときに調整しようと思います。
ツール5個目なんだけど、ブログ書いてないのがあと2個あるんだよね…
現場からは以上です。











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