Ankerの誇る最上位シリーズであるところのAnker Prime Power Bank(12000mAh, 130W)が届いたので色々見てってだんだんテンションが下がってった記録です。
はじめに
Anker(ブランド名) Prime(シリーズ名) Power Bank(モバイルバッテリーの意) 12000mAh(3.6V換算で12Ah) 130W(出力1ポート当たり最大65Wで2ポートの合計)です。
製品名を3桁の数字でうんぬんというのは無かったことになったのかな?
10,000mAhクラスとしてはかなりの高級モバイルバッテリーとなります。USB PDで65W出力できるまともなモバイルバッテリーは種類があまりないです。
内容物は本体、袋、紙、USB Type-Cケーブルです。
付属ケーブルでは60Wまで
USB 2.0でeMarkerが入っていない3Aまで対応のケーブルです。ええ、付属のケーブルでは65W入出力できません。Primeと銘打ってるわりにしょぼさが際立ちます。
思ったより重い
購入時最強と謳われたAnker 737 Power Bankは24,000mAhで628.5gだったのですが、当該Anker Prime Power Bank(12000mAh, 130W)は367.5gです。このクラスの容量としては正直重い。
Anker PowerCore 10000 PD Redux 25Wが公称194g、Anker Power Bank(10000mAh, 30W)が公称220gなのと比べると流石に重い、重いが1ポート65W出せる中では軽い…
対応電圧が仕様と違う
USB-C 出力は5V3A / 9V3A / 10V2.25A / 15V3A / 20V3.25Aとなっています。本体にもパッケージにもメーカーサイトにもそう書かれていますが…
USB PDの通知では5V3A / 9V3A / 12V3A / 15V3A / 20V3.25A / PPS:3.3-11V3Aを返してきます。
12Vを選択すると12Vで出力されて3Aまで負荷をかけることができました。10Vどこいった?
メーカーサイトを見ても仕様は変わってないですし、12Vが無いことに起因すると思われるhpのノートPCを充電できない問題も記載されたままです…うーん…「製品の仕様は予告なく変更されることがあります」なのか?なのかなあ…それにしても本体の表記と合わないのは…
PPS:3.3-11V3Aの意味
つまり、Samsung Galaxyの超高速充電2.0には対応していません。
実用上どれだけ困るかと言われるとそんなに困らないとは思いますが、非対応は非対応ということで愛好家から失望の声が上がるのも已む無しといったところです。
充電してる様子
安全装置が働いて出力が停止するほど放電してからの再充電を2回しましたがおおむね同様の結果でした。50分ちょいで満充電。
常時65W充電ということではなく、わりと48Wほどで立ち止まってる時間がある印象。発熱対応なのか他に理由があるのか分かりませんが、Anker 737 Power Bankの全力疾走に比べると物足りなさがありますね。
メーカ公称は45分で満充電とのことなので、まあ許容範囲内か。
なお、2ポートどちらからでも充電できるのですが、両方にACアダプターを繋いでも倍で充電できるということはありませんでした。
C1に65W充電器を繋いだ状態でC2に100W充電器を繋ぐとC1は停止してC2から充電するようになりました。C1抜き差ししても戻らなかったので強い方から充電するような挙動ですね。
パススルー充電非対応
仕様通りなのですが、本バッテリーを充電しながらスマートフォンを充電するようなことはできません。
充電が優先されるので、1ポートで充電がスタートするともう1ポートの出力は停止します。2ポート出力しているつもりが何かの事情で接続先から逆潮流して本バッテリーが充電されるようになるともう1ポートの出力が止まるといったちょっと混乱する挙動を引き起こします。
12V3Aで放電テスト
1時間ちょっとで出力が停止しました。37.6Wh出力したとのことです。
仕様上43.2Whなので、実測で87%ですね。早めに出力を止めるといった安全寄りの設計だと思いますのでまあまあ上出来かと思います。
ついでにこのバッテリーの仕様は3.6V4Ahのセルを3本直列繋ぎして10.8V4Ahとして使っていますと書いてあります。Anker 737 Power Bankが3.6V4Ah6本だったのでちょうど半分ですね。
基本的にノートPCなどで20Vや28Vでの入出力を前提にしたAnker 737 Power Bankは内部21.6Vだったんですが、サイズ的にスマートフォンでの使用を前提としていると思われるAnker Prime Power Bank(12000mAh, 130W)は10.8Vの方が都合がいいんでしょう。
おしまいに
Galaxyの超高速充電2.0を2台同時に使えるかというのが最大の見どころだったので、それをなし得なかったということでだいぶテンションが下がってます。
仕様が違うのですべてを疑ってかからないといけないというのもだるい…どいつもこいつも真面目にモノを作ってない…数字ぐらい書いてあるのと合わせろよ…
実際問題として10Vよりも12V対応の方がうれしいので現状の方がいいんですけどね。
今回テンション下がっちゃったので温度測定とかやってないんですが、Anker 737 Power Bankと比べるとちょっと熱い印象です。まああっち測定したの冬だったのでそりゃベースの気温が違うでしょというのもありますが…
負荷装置も測定機も1個しかないので2個同時65W出力させて20分で電池切らせる作戦とかもやりません。
そうなんですよ、フルパワーで出力すると20分で空っぽになっちゃう。そんな使い方しないよって言われりゃそうなんですけど、そんな使わないならこれじゃなくていいんじゃないか?みたいな気持ちになってしまってまたテンション上がらない…
ああ、1ポート最大65Wで2ポート同時使用時にも変わらない=抜き差しでリセットかからないというのは珍しいかも。一般的な複数USB Type-Cポートがある充電器・バッテリーは同時使用で分配が変わって1ポートは45Wまでだけど2ポート同時に使うと25Wと20Wになって給電がリセットされる~みたいなのが無いのは良いことじゃないかと存じます。
ROG AllyはいつぞやのBIOS更新で純正じゃない65W充電器でも30W Turboモードが使えるようになってるのでこいつで充電すると30W Turboモードになりましたが、途中でなぜかROG Allyから給電されるという謎の挙動をしたのでご注意ください。
現場からは以上です。