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Chuwi MiniBook X N100でUbuntu 24.04 LTSを使う話

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はじめに

先日思ったより良かったとお知らせしたChuwi MiniBook X N100ですが、当初の目的はBreezy GNOMEを簡便に使うためなので、GNOMEを動かすためにUbuntu入れましょうという話です。

Ubuntu 24.04 LTSは2024年4月にリリースされた最新の長期サポート版です。別にUbuntuでないといけないわけではないんですが、なんとなくユーザー多そうだし問題が起きても対処方法が知られてそうな気がするので今回はこれを選択しましたが宗教的な理由で他のディストリビューションでないといけないとかありましたらそちらをどうぞ。

インストールは基本的にisoファイルをダウンロードして、USBメモリに書き込んで、USBメモリから起動して~といういつもの流れなので割愛します。

Ubuntu 24.04 LTSはWi-FiやBluetoothなどを動かすために必要なドライバーがすでに組み込まれているのでほぼほぼそのまま動かせちゃうので簡単です。

Chuwi MiniBook X N100は再三お知らせしている通り縦画面用の液晶ディスプレイを使用しているため大きな問題になりそうなのはそこだけでした。

インストール前後で気になった所をメモ程度に書き残しておきます。

USBで起動したインストール画面が縦

ね?インストール画面の周囲にあるデスクトップで右クリックをしてDisplay SettingsからOrientationをPortrait Leftすると横画面になります。

アプリセンターで更新ができない

端末(Ctrl+Alt+T)からsnap-storeを更新することで更新ができるようになります

killall snap-store && sudo snap refresh snap-store

横画面対応

再三申しております通り、Chuwi MiniBook X N100の液晶ディスプレイは縦画面が基本です。デスクトップ右クリックメニューから「ディスプレイの設定」で「向き」を「縦方向(左向き)」にすることで横画面にすることができるのですが、USB Type-C接続のディスプレイを刺すとまた縦画面に変わってしまうのでたびたび設定が必要になってしまい面倒です。

grubで設定することでLinux起動時にDSI-1(本体ディスプレイ)の画面を方向を指定することできるので今後の手間は省けます。

sudo nano /etc/default/grub

grubファイルをnanoというテキストエディタで編集します。GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULTと書かれている行を見つけて下記のように書き換え、もしくは元の行は # でコメントアウトしてまるごとコピペして保存します。Ctrl+X押して終了しようとすると保存するか聞いてくるのでYを押してEnterで保存してnanoが終了します。

GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="video=DSI-1:panel_orientation=right_side_up quiet splash"

変更をgrubに分からせて再起動します。

sudo update-grub && reboot

なお、現状grubの画面自体は縦画面でしか表示されないです。先日(2024年6月17日)に画面回転に関するパッチを投げてる人がいたので、取り込まれればそのうち設定できるようになるかもしれません。

今後カーネル側でChuwi MiniBook X N100への対応がされて設定が不要になることを祈ります。

画面自動回転

Ubuntu 24.04 LTS標準のカーネルは6.8なんですが、このバージョンはChuwi MiniBook X N100に搭載されているセンサーを知らないので自動回転ができません。

別に画面自動回転に対応したところでタブレットモードに切り替わるわけでもないので別に必要無いよねって現実的な方はここは無視してOKです。

6.9以降で対応したとのことなのでUbuntuが公式対応するまで待つ…といつになるか分からないので自己責任で新しいバージョンを入れましょう。

カーネルソースをダウンロードして自分でビルドして~というのは大変なので、更新されたバージョンのカーネルを簡単にインストールするためにmainline-gtkというアプリを使います。

sudo add-apt-repository ppa:cappelikan/ppa
sudo apt update && sudo apt full-upgrade
sudo apt install mainline

ランチャーに追加されたMainline Kernelsというサイコロみたいなアイコンのアプリを起動したらこんな感じの画面が表示されるので、6.9以降のなんか新しそうなバージョンを選んで右側のInstallボタン押すと…

なんやかんやごちゃごちゃ表示されて mainline: done って終わったらCloseして再起動すると新しいバージョンになってます。

なんか問題が発生した場合はgrubでAdvanced options for Ubuntuを選んで過去のバージョンで起動することもできます。新たに入れたバージョンを消したいときも過去のバージョンで起動して、先ほどのMainline Kernelsから消したいバージョンを選択してUninstallすればgrubからも消えるので大変お手軽です。最近のLinux関係知らなかったけどめっちゃ四半世紀前に比べるとラクチンになってますね!

さて、これで自動回転する準備の半分が終わったので次はアプリセンターで Extension Manager を検索してインストールします。これはGNOME Shell Extensionを管理するためのアプリです。

ランチャーからExtension Managerを起動して「探す」から Screen Rotate をインストール。これがGNOME Shell Extensionですね。カーネルが自動回転に対応していない場合にどうにかこうにかしてくれる拡張です。

インストール済みに追加されるので、歯車を押して Set orientation offset を 1 にします。何気なく書いてるけどgrubで回転させたのをScreen Rotateに分からせるために必要な大変重要な儀式です。

タブレットモード切り替え

現状はまだ簡単にはできません。有志の方がどうにかしようと色々試してます。

個人的には画面回転同様にカーネル側で正しく対応してくれるといいんじゃないかと思います。おそらく2個のセンサーで折り畳みを認識するタイプでキーになるのはここら辺。知らんけど。

Ubuntuにおけるカーネルビルド

Ubuntu独自で加工してあるとのことで、公式のソースからビルドするのが推奨とのことです。

色々試したんですが、結局おおむね公式の書いてある通りにやるのが正しいということになりました。

/etc/apt/sources.listを編集するよりも、ソフトウェアとアップデートアプリの「Ubuntuのソフトウェア」→「インターネットからダウンロード」→「ソースコード」のチェックを入れるのが簡単なのでオススメ。

でもaptでソースを取得するよりもgitで取得する方が改変が発生する場合に便利なのでgit使いましょう。

gitでソース落としてきたらModifying the configurationのchmodで実行権限を追加してるのは必要無いので簡単です。

ビルドの実行

fakeroot debian/rules binary-headers binary-generic binary-perarch

Chuwi MiniBook X N100で3時間ぐらいかかりましたが無事に完了しました。

おしまいに

画面設定以外はWi-FiやBluetoothみたいな四半世紀前にはどうにもならなかったであろうデバイスもインストール時点で認識してそのまま普通に使えるというのはありがたい話です。

一方で画面回転するためのセンサーの認識やタブレットモードに切り替えるあたりの話はいかにもLinuxっぽくて楽しいのですが時間が取れないので深掘りできないのが悩ましいです。

4万円台で買えてUbuntuの勉強もできて、Breezy GNOMEとXREAL Air 2で手軽にデスクトップ環境を3DoF化できるお手軽サイズのChuwi MiniBook X N100を皆様もセールを狙って買ってみてはいかがでしょうか。

現場からは以上です。

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