
XREAL Oneシリーズは色がおかしくなり音が鳴りませんが、VITURE XRメガネ専用なのでしょうがないです。
はじめに
久しぶりのVITURE製品です。
VITURE OneモバイルドックをKickstarterでバックして入手したのが2023年4月らしい。
Kickstarterのやり取りでは出力に機器制限はなく他社製電気メガネでも使用できるということだったんですが、実際に届いたモノはVITUER One専用となっており大変失望した記憶があります。
その後、スマートフォンを充電しながら電気メガネを使うアダプターとして、V1222とV1240を買いました。これはとても良かった。
V1240はiPhone 15以降専用でUSBのデータ通信をBluetoothに変換するという大変なキワモノだったので用途は限られますがAppleがUSB機器の通信を制限しているのでどうしてもSpaceWalkerを使うために必要なアイテムになってます。
まあ新しいiPhone持ってないんで動作確認できてないんですけどね。
VITURE Proモバイルドック

箱の品質は流石VITUREという感じで素晴らしいですね!
箱の裏にPSEマークがあります。「フューチャーモデル株式会社」との関係はよく分かりませんが申請はそちらでしているようです。
リチウムイオンバッテリーを内蔵している機器が全てPSEマーク必要かというとそういうことはなく主たる用途が別にあれば必要ないことになってた気がしますが、VITURE Proモバイルドックは主たる用途がモバイルバッテリーなのでしょう。
ということで、VITURE ProモバイルドックはHDMI入力をUSB Type-C DP Altに変換するアダプターが内蔵されているモバイルバッテリーということですね。USB Type-C DP Alt入力端子もあり、USB Type-C接続ディスプレイを2個繋ぐことでミラーリングも可能という多機能モバイルバッテリーです。
型番 V1234 なんかきれいな数字ですね!
購入時(2025/08/25)の価格は21,800円でした。
公式サイトはこちら。本家の .com が日本からは見ることができないのはどうにかならんのですかね?
分かりやすい「こんな使い方ができますよ」

VITURE ProモバイルドックのUSB-C1から給電したChromecast with Google TVをHDMI入力に接続、Rokid MaxとXREAL Air 2(DP音声モード)を接続して2人で同時視聴が可能でした!音もちゃんと両方から鳴りますし、遅延もほとんど感じられなかったです。
FireTV Stickでも同様のことが可能ですが、USB Type-C→microUSBケーブルが必要なのでちょっと面倒です。

Nintendo SwitchをUSB-C1に接続することでTVモードで動作させることができ、2台の電気メガネで2人プレイができます!
XREAL Air 2は先に接続して明るさ+ボタンを2回通知音が鳴るまで長押ししてDP音声モードにしてからNintendo Switchを繋いで映像が表示されたのを確認してRokid Maxを接続するみたいなややこしい手順が必要でした。
なお、Nintendo SwitchがTVモードで動いているのに5V給電になっているのは行儀悪い互換ドック仕草です(後述)。
なんにせよこれはVITUER Oneモバイルドックでできなくて悲しい思いをしたので大変な進歩ですね!
付属ケーブルについて

フル結線のUSB Type-Cケーブルです。短いので抵抗値も低いです。eMarkerは入っていません。

ちなみにVITURE Oneモバイルドックに付属していたケーブルが下。VITURE Proモバイルドックのケーブルはちょっと短くなってちょっと太くなってちょっと固い。
重量測定

363.5gでした!13000mAhのモバイルバッテリーとしてはだいぶ重い。

ちなみにVITURE Oneモバイルドックもほぼ同じ重さでした。
USB PD対応について

本体裏側の記載がこちらです。
USB-C1 Input: 5V=3.00A, 9V=2.22A, 12V=1.67A, 15V=1.33A
USB-C1 Output: 5V=3.00A, 9V=2.22A, 12V=1.67A, 15V=1.33A
USB-C2&C3 Output: 5V=1A
Total Output: 20W

実際のUSB-C1からのUSB PD通知はこちら
表にするとこんな感じです。ちょっと実機の方が出力を多めに通知する傾向にあるようです。
項目 | USB-C1 Output(本体表記) | PD3.0 21W(テスター表示) | 差(テスター-本体) |
---|---|---|---|
5V | 3.00A | 3.00A | ±0.00A |
9V | 2.22A | 2.30A | +0.08A |
12V | 1.67A | 1.75A | +0.08A |
15V | 1.33A | 1.34A | +0.01A |
実は15Vより12Vの方が電力多いという不思議な作りになってます。

USB-C2&C3のUSB-PD通知はこちら。
表にするとこんな感じで0.5A違いますが多い分には困らないから良しとしましょう。ヨシ!
項目 | USB-C2&C3 Output(本体表記) | PD2.0 7W(テスター表示) | 差(テスター-本体) |
---|---|---|---|
5V | 1.00A | 1.50A | +0.50A |
Nintendo Switch用の嘘通知

前述の通り、VITURE Proモバイルドックは15V1.34Aまでしか対応していませんが、Nintendo Switchとの接続時には5V3A, 15V2.6A対応という嘘通知を出します。
そしてNintendo Switchからの要求(15V2.6A)を無視して5Vで給電をしています。Rokid Hubなどと似たような挙動ですね。XREAL Beamより実際に給電してるだけマシという気はしますが、本来の要求は満たせていないのであまり褒められたもんじゃありません。
ディスプレイ互換性確認

手持ちの液晶ディスプレイで確認したところ…
DELL P2723DE、DELL S2722DC、LG 32UL750-Wへの出力はできませんでした。PC側からもディスプレイとして認識されない状態です。
なぜかLenovo L32p-30は4Kで正常に出力できました。
電気メガネでは…
XREAL Oneシリーズは色がおかしくなりDP音声モードでも音が出ません。XREAL Oneシリーズに関しては過去の検証結果からXREAL側がなんかおかしい気配があるのでVITURE Proモバイルドックが悪いとは一概には言えません。
XREAL Air / Air 2はDP音声モードにすれば問題なく使用できました。
Nreal Lightは映像は表示されますが、DP音声モードがないので音は出ません。
Rokid Max / Airは普通に使えます。
EPSON MOVERIO BT-40はXREAL Oneシリーズ同様色がおかしくなります。DP音声モードがないので音は出ません。
VITURE Oneは普通に使えます。当たり前ですね。専用品なのですから。
VITURE ProモバイルドックのUSB-C出力を各機種で検証した結果をまとめました。
映像・音声の可否は以下の通りです。
機種名 | 映像 | 音声 |
---|---|---|
DELL P2723DE | ❌ | ❌ |
DELL S2722DC | ❌ | ❌ |
LG 32UL750-W | ❌ | ❌ |
Lenovo L32p-30 | ✅ | ✅ |
XREAL Oneシリーズ | ⚠️ | ❌ |
XREAL Air / Air 2 | ✅ | 🔊(DP音声モード) |
Nreal Light | ✅ | ❌ |
Rokid Max / Air | ✅ | ✅ |
EPSON MOVERIO BT-40 | ⚠️ | ❌ |
VITURE One | ✅ | ✅ |
標準的なUSB Type-C接続ディスプレイに対応しているということでしたが、基本的にはフルHDにのみ対応しているという感じでしょうか?
XREAL Oneシリーズで使えないのは残念ですねぇ…
EPSON MOVERIO BT-40を久しぶりに引っ張り出してきましたが、この透明度は素晴らしいです。光学シースルーというならこれぐらいやってもらいたいという気持ちを新たにしました。
USB Type-C入力時にもデータ通信を流さないのはVITURE製品にはUSBオーディオ対応機種がないという理由なんでしょう。新しい機種でマイクが搭載されている物があった気がしますがそちらのマイクは使えないということでしょうね。
なお、弊者認定神器であるMOKiN MOUC6101Bでは全てデュアルディスプレイ可能です。さすが神器ですね!
Nintendo Switch 2対応ファームウェアアップデート

日本語化されたサイトで案内されている通り、PCのChromeからWeb USBを使用してアップデートが可能になっています。
当初Nintendo Switch 2に対応したけどNintendo Switchで使えなくなったとか紆余曲折があったようですが、現状はどちらも問題なく使えるようになっているそうです。
知る限りにおいて、USB Type-C接続そのままでNintendo Switch 2と電気メガネが使えるのは現状VITURE Proモバイルドックだけじゃないかな?
Nintendo Switch 2買えてないから確認できないんですけど、VITURE Proモバイルドックは15V1.34Aまでしか対応していないのでNintendo Switch同様Nintendo Switch 2にも嘘のUSB PD通知を出しているものと思われます。Nintendoの認証を受けた正規品ではないので故障時の保証は受けられない可能性を理解して使いましょう。
おしまいに
2万円以上するモバイルバッテリーのわりには出力が弱いですが、VITUREのエコシステムで使うには良いのではないでしょうか。
以前お知らせしたEDIDの問題に対してそろそろXREAL Oneシリーズ側でなにか対策してくれるかと期待して分かりやすい不具合が出ているVITURE Proモバイルドックを今さら買ってみたんですが、DP音声モードでなくても色が変化するので把握しているEDIDの問題とは違うようです。
DP音声モードにしても音が出ないというのもXREAL Oneシリーズ側で映像入力がないとUSBオーディオ機器としても音が出ないようになっている仕様?と関連してる気がしてるんですが詳細は不明です。
USB Type-C DP Altをミラーリング出力してくれる機器はあまりないのでもうちょっと互換性の問題がなければ人に勧めやすいのになあ…
「一般的なUSB Type-C接続ディスプレイ」の認識がメーカー側と異なるようで、DELLとかLGの液晶で使えないのは果たして一般的と言えるか???という気持ち。
ともかく、XREAL Oneシリーズユーザーはステイです。現状買ってはダメ。
現場からは以上です。