はなくろさんのうまれてはじめてのお風呂だった。
わけがわからないまま、はなくろさんはずぶにれになり、体中あわだらけになり、多少のノミを失い、呆然として部屋に戻ってきた。
はなくろさんは呆然としつつも毛づくろいを続けたが、8分ほど乾いたところで力尽き、ベッドでぐうぐう寝てしまった。
そんなはなくろさんを見ながら、私は床で寝たのである。
翌日、連絡をうけてやってきたなかみちは、ふわんふわんにきれいになったはなくろさんを連れて東京に行ってしまった。
やっとこれで窓閉めて寝られるわー、蚊に苦しめられることもないわー、と私は喜んだが、もう床にもベッドにも白黒のいきものは落ちていないのだった。。。
切なさをかみしめながらつづく。
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