今日は、はなくろさんの生い立ち。

 

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「猫をよろしく」
そう言い残して、隣人が2匹の猫を残しあわただしく引っ越していったのは、確か1991年のことだ。
猫が何を食べるのか?猫の意思表示はどのように行われるのか?
まったくわからないことだらけのまま、それまで犬派だった私は、こうして猫との接点をもったのだった。

よろしくたのまれた猫は、半年ほどで200mほど離れたエリアに引っ越してしまった。

だが、野良猫の間で「あの家ではカリカリが出る」と口コミで広まっていたようで、それから数年ものあいだ、猫が足しげく通うようになった。
そして、2000年。ついに定住する猫が現れた。名を「シロ」という。

 

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シロはそれから7年もの間、我が家に住み続けた。

2005年はおかしな年だった。
シロの娘が姉妹そろって子猫を産んだ。
実家の玄関先には段ボールが常時置いてあったのだが、その中でまず姉猫が子猫を産み、育てていた。
半月ほどおくれて、妹猫も子供を産んだのだが、産んですぐに同じ箱の中に子猫を運んできた。
せまい箱の中で、二匹の猫がぎゅうぎゅうで子猫に乳を与えているのが見えた。

 

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(左端の、靴下をはいているのがはなくろさん)

 

なにしろ箱がせまいものだから、お互いに踏んだり踏まれたりな状態で子育てをしていた。
子猫もよくわからないまま、母とおばのおっぱいを交互に吸っていた。
親猫も、よその子のおしりをよくなめていた。

そして、母猫はそのうち
「うちの子ぶんもたのむわ!」
とかわるがわる交替で遊びに出かけるようになったのだ。

 

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(真ん中で手袋をのばしているのがはなくろさん。お母さんはくろちゃん)

 

つづく。

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